平成29年度税制改正大綱に、広大地の評価方法の変更について記載があったのですが、6月22日、具体的な通達の改正案が公表され、これについて意見公募手続き(パブリックコメント)が開始されました。
↓電子政府の総合窓口
「財産評価基本通達」の一部改正(案)に対する意見公募手続の実施について
比較的広い土地を保有する方にとっては、とてつもなく大きな改正です!
平成30年1月1日以後の相続、贈与に適用されるため、今年中に贈与をしてしまった方がよいケースも多々あるものと思います。
残された時間は約半年しかありません。少なくとも検討は早急に着手すべきです!
1.昨年末公表の税制改正大綱では、詳しい内容がわからなかった
昨年12月に公表された税制改正大綱では、あまり詳しいことは記載されておらず、
の2点が記載されるに留まっていました。
変更内容は、名称変更など、いくつかあるのですが、とにかく重要なのは評価額への影響です!
改正前後の算式を見てみましょう。
【現行の算式】
【改正案の算式】
算式だと、ちょっとわかりずらいでしょうか。
算式だけでは、なんのこっちゃ、という感じですので、どの程度の違いがあるのか、計算して表にしてみました!
どうでしょうか。評価減の割合がかなり下がっていることがわかります。
といっても、一概に、評価額が上がるとは限りません。
現行は、他の評価減の重複適用がなかったのに対し、改正案は、他の評価減の重複適用があります。
例えば、「かげ地割合」という割合が65%の普通住宅地区の500㎡の土地の場合、不整形地補正率0.65×上記の割合0.8=0.52となり、改正前の0.575より評価減の割合が大きくなります。
奥行などによっては、さらに評価減がある可能性もあります。
ただ、「かげ地割合」65%というのは、相当に不整形な土地です。
まだ印象にすぎませんが、この改正により、評価額が高くなるケースの方が多いのではないでしょうか。
特に、四角い、きれいな形の土地については、評価額はかなり上昇するのではないかと思います。
1.この制度の適用ができない「マンション適地」について、現行は、その土地の周辺環境などから個別に判断していたのですが、改正案では、画一的に、容積率400%(東京23区は、300%)以上は、適用できないこととされています。
2.この制度は、普通住宅地区と普通商業・併用住宅地区に限って適用されることになります。
来年になってからでは、なにもできません。
繰り返しになりますが、残された時間はあと半年しかありません。
少なくとも、どのくらい評価額が変わるのかを知る必要があります。
作成日: 2017/07/02クオリス代表村本 政彦
大手会計事務所で、約20年にわたり、主に事業承継、組織再編などのアドバイザリー業務や企業オーナーの相続税申告業務等に従事しておりました。
長年にわたり培った豊富な経験と幅広い知識を生かして、これからもお客様に的確なアドバイスをしていきたいと思っている一方、「お客様の現状を正しく分析し、今なにが必要かを考え、お客様を適切に導くこと」、言葉では単純なことのようにも思えますが、ときに難しく、長年携わっていても、新しいお客様をお迎えするたびに新たな気づきがあります。
これまでの経験と知識だけに甘えず、なにが必要かを本気で考え、さらにお客様へ貢献していけるよう精進してまいります。
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